Atopic Dermatitis
アトピー性皮膚炎とは
かゆみを伴う湿疹が体の様々な場所にみられる病気です。皮膚のバリア機能の低下があり、そこへ様々な刺激やアレルギー反応が加わって生じると考えられています。良くなったり悪くなったりを繰り返し、なかなか治らないこと(慢性化)が特徴です。
原因
- 「皮膚のバリア機能の低下」
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バリア機能の低下は、アレルギーを起こす物質が容易に皮膚の中まで侵入しやすく、複数のアレルギーを獲得することになります。バリア機能の低下は遺伝の要素もありますが、皮膚を引っかいたりする物理的な刺激や、汗、石鹸、化粧品、紫外線などによっても低下します。
- 「アトピー素因」
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アトピー性皮膚炎や喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、食物アレルギーなどの方がご家族にいる場合、遺伝的にその体質を受け継ぐことがあります。このような体質のことをアトピー素因と呼びます。素因に関連して、汗やハウスダスト、ダニ、花粉、食物などに対するアレルギー、またストレスなども悪化因子と言われています。
検査
アレルギー体質の方も多くみられます。ダニ、ホコリ、花粉、ペットなど複数のアレルギーを持たれている方も多く、自身がどのアレルギーを持っているかの把握も必要です。
また定期的なアトピー性皮膚炎の重症度(病気の勢い)を示す数値(TARC)の測定も重要です。
治療
- 悪化要因(アレルギー、皮膚へ刺激、心理的要因)の除去
- 保湿剤などのスキンケア
- 外用薬:ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬(プロトピック®)及び20年ぶりにアトピー性皮膚炎の外用薬として2020年6月発売されたJAK阻害薬(コレクチム®)を用いて炎症を抑え、これに保湿剤を組合せます。
- 内服薬:主に抗アレルギー薬を用います。最近ではJAK阻害薬の内服薬もでてきています。
- 注射薬:難治性で一定の条件を満たした場合は、生物学的製剤(デュピクセント®)の適応となる場合もあります。